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目次


刃材について

刃形状について

ハンドル形状について

ネジについて

触点について

ヒットポイントについて

シザースメーカーについて

ネジについて


手回しネジに自社ロゴを入れているメーカーも数社ありますが、基本的にはどのメーカーも既製品のネジを採用していますので、ぱっと見ではシザースの完成度まではわかりません。「ネジ」とそのネジ穴の加工技術がよくないシザースはムラのある開閉感を手に伝えてきます。特に多いのがディーラーのサンプルでは感じなかった違和感が届いたシザースで起こることです。それはメーカーが検品していない証拠ですので、そのようなメーカーのシザースは選ばないようにしましょう。また、お手入れと称してネジ部分にオイルを差す方がいますが、オイルをつけてしまうと、その部分に毛クズが溜まってしまいますのでそれはやめておきましょう。昔の鉄が多いハサミにはオイルを塗って錆びないようにしていましたが、近年のシザースは基本ステンレスですので水分だけ拭き取ってやれば十分です。







手回しネジ 専用の道具を必要とせず、自分でネジの調整が簡単にできる。自在ネジもこれに含まれます。精密加工を苦手とするメーカーのシザースに多く、単純な丸穴に円柱軸のネジが貫いているだけのものが大半で、古くからあるタイプのものです。刃付けや調整で職人の技量に左右されやすく製品にバラツキがでやすいため、薄い金属板(ワッシャー)を適宜入れることで補正していることがあるため不用意に分解することは控えておいた方がよい。また、ネジ部分が大きく露出しているためカット施術時にからまりやすいのでセニングシザースでこのネジのものは選ばないようにしてください。



手回しネジ(板バネ付) 従来の手回し式ネジの静刃の間に板バネをはさんだものです。静刃と動刃の剛性を高めるために考案されました。板バネに凸部を設けたロック式のものもありますが、メーカーロゴ刻印のついた板バネを差し替えるだけで全く別のメーカーのシザースに変身してしまいます。全くおすすめいたしません。


割ネジ 手回しネジのように道具なしで調整はできませんが、マイナスドライバーやコインで調整ができます。このネジの仕様も手回し式同様で旧式の設備の製造工場のシザースです。軸の部分に切り込みが入っており、この切れ込みの溝を利用して軸幅を広げることでネジが締まる構造になっています。徐々に締め付ける力を失い、いくら増し締めしてもスカスカになってしまいます。全くおすすめいたしません。


ドライバーネジ マイナスドライバーやコインで締め付けるタイプという意味では「割ネジ」と同じですが、このタイプのネジの外見的特徴は反対側が六角ナットの形状になっていることが多いです。動刃・静刃ともに丸穴加工で軸ネジも筒状のため軸ブレし安定した開閉ができないものが多いので全くおすすめいたしません。

埋め込みネジ 近年もっともポピュラーなネジだと思います。写真は4つ溝ですが2つ溝もあります。動刃側にベアリング付きにしたものなどもありますがあくまでも触点が接点になるので開閉感に関しては驚くほどの違いはありません。プラシーボ(プラセボ)効果の範囲内だと思われます。逆に毛くずの詰まりによってベアリングがスムーズに動作しなくなることもあります。埋め込み式ネジなら、ドライカット時やシンメトリのセニングシザース両面使いしても髪がからむこともありません。ただし腰のシザーケースに入れている方は注意が必要です。出し入れ時にシザーケースのガイドに当たってネジが回転することがあり、専用のドライバーがないと締め付けの対処ができなくなるので、必ず専用のドライバーを携帯するようにしましょう。良いメーカーのドライバーはチェーン付きなのでシザーケースにつけておけば安心です。



腰のシザーケースに入れるのであれば「埋め込み式ネジ」を、ワゴンやカウンターにシザースをおいて使うのであれば「どれでもすきなネジ」を選んでください。「ロングシザーは板バネ付き手回しがいい」という方もいるようですが、ロングシザースになると短いシザースに比べて刃先までしっかりとチカラが伝わりにくくなってしまうことが原因です。この「チカラが伝わりにくい」のを克服するためには「A.柔らかい金属でオガミとヒネリを強くする」「B.精密加工技術で高硬度の金属を加工する」「C.シザースを短いものにする」のどれかになります、「C.はロングシザースを作りたいのに短くなるので論外です」ですので、最も手っ取り早い方法としては、柔らかい金属を使ったロングシザースには「板バネ付きの手回しネジ」を選ぶことになります。しかし、柔らかい金属にオガミとヒネリを強めにいれていますので刃の磨耗が大きいがゆえに研ぎにだすスパンも短くなります。もちろん、最新式のマシニングセンタや5軸化であれば「埋め込み式ネジ」で何ら問題ありません。また、「A社の埋め込み式ネジのギアの向きは上方向、当社は右方向」というのも、工作機器の交軸がずれているためにギアの納まる穴が「左」に歪んでしまっているのでそれを補正するために「右」にしなければならないだけのことです。「埋め込み式ネジ」の短所というわけではありません。
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