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目次


刃材について

刃形状について

ハンドル形状について

ネジについて

触点について

ヒットポイントについて

シザースメーカーについて

刃材について


はじめに、シザースに使われている素材「Stainless ステンレス」についてざっくりと解説します。「ステンレス」の意味は「ステイン=よごれ(サビ)」が「レス=ない」という意味です。金属が錆びる理由は、その材質に「鉄や炭素」がどれだけ含まれているかによります。「鉄や炭素」が沢山含有されているものはサビ易いのでステンレスとは言えません。逆に「鉄や炭素」が少ないと磁石に反応しなくなったりサビにくくなります。そうした特性を持つ金属の総称として「ステンレス」と呼んでるだけですので、磁石にくっつくステンレスもあればサビやすいステンレスもあるということです。シザースメーカーは日立金属や武生特殊鋼材などから数ミリ厚の金属板を購入しシザースを製造しています。尚、本項目内では「高級」「最高級」といった表現はあえて控えさせていただきます。こうした表現はどこに基準があり、なにをもって「高級」「最高級」と呼ぶのかといった点が不明確なことと、新しい金属が誕生することによって「いつの時代の高級といっているのか」がわからなくなってしまうからです。





ハガネと読みます。細かく分類すると安来(ヤスキ)鋼、黄紙鋼、白紙鋼、青紙鋼などがあります。和包丁や鋏などに用いられており、鉄が多く含まれていますので錆びやすく、こまめに研がなければなりません。これらのハガネ材で作る和包丁や鋏は鍛冶屋の職人がカナヅチで1丁1丁手作りするタイプの昭和時代の「職人の手作り」ですので、製品の出来にバラツキがあります。

SUS440C Steel Special Use Stainlessの略です。刃物類全般に使用されているステンレス鋼材です。コバルトは含まれていません。ベアリングなどもこの素材で作られています。この金属だけのことではありませんが、同じ品番であっても会社や国によって品質に違いがあり、日本製が優れています。

V金(1、2、5) 多くのシザースに使われているステンレス鋼材です。炭素、クロム、モリブデンで構成(V金5は+バナジウム)されています。コバルトは含まれていません。

V金(10) 炭素、クロム、モリブデン、バナジウム、コバルトが含まれている鋼材です。コバルトシザースに用いられています。

コバルトスペシャル V金10にタングステンをプラスしさらにコバルト含有量を増やした材質です。コバルトシザースに用いられています。

ステライト デロロステライトグループの金属です。コバルトを主原料にしています。鋼材が硬すぎて曲線加工が難しいためほとんど流通していません。

ハイス メーカーによって「スーパーゴールド、HSS、粉末鋼、超炭素鋼」などと呼ばれています。「ハイス」とは「ハイスピード・スチール」の意味で、本来の用途としてはエンジンやタービン、ドリルといった超高速回転する部品などに用いる材質です。高速回転を何時間も連続使用しても磨耗しにくい耐久性を持っていますので、髪の毛を切る程度の開閉摩擦ならとてつもない長寿命になります。

ダマスカス ステンレス鋼材と鋼を貼り合わせて鍛造しています。複合鋼材と呼ばれ、層をなした見た目は独特な風合いですが刃付けの部分は「鋼」なのでまめに手入れする必要があります。

セラミック 金属ではなく陶器ですね。ジルコニアを主原料としているので錆びとも無縁で、金属アレルギーの方でもお使いいただけますが、この素材で積極的に理美容シザースを作っている会社は見かけなくなりました。現在では、ステンレス鋼シザースにチタンやDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)といった耐金属アレルギー対策としてのコーティングを施す方法が主流になっています。


代表的な鋼材をまとめてみました。標準的なシザースであれば材質も標準的なものが使われているはずですので、とりたててどこの鋼材なのかを聞き出す必要はありません。しかし「このシザースは高級あるいは最高級の金属つかってるのでお値段も高いです」とするシザースの場合は注意してください。正直なシザースメーカーであれば自社製品カタログには高級鋼材を使用したシザースに関しては鋼材名がかならず明記されているはずです。気をつけていただきたいのは「当社独自開発」と称することでインターネットで調べても作っている金属会社の名前が出てこないようにしているシザースメーカーです。見た目だけでは既製品の金属なのかオリジナルの金属なのかは見分けがつきませんので購入の際は注意しましょう。
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