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目次


刃材について

刃形状について

ハンドル形状について

ネジについて

触点について

ヒットポイントについて

シザースメーカーについて

刃形状について


金属会社から購入してきた数ミリ厚の刃物向け金属板や高速切削向けの金属を、シザースの刃に仕上げていくのですが、刃形状といっても統一された工業規格がなく製造メーカーそれぞれが独自の名称や独自の解釈をしているため、「柳刃がスライド用、笹刃はブラント用」とするメーカーもあれば、「いやいや、柳刃こそがブラント用、笹刃はスライド用」と主張されています。ですので、「このシザーは何刃ですか?」と質問するよりも「このシザーはスライド用ですか?」と質問したほうが安全です。





段刃 平刃ともいいます。文房具、盆栽、裁縫用ハサミと同じ構造をしています。刃が鋭角ではありませんので厚切りもできカリアゲにも最適でした。また刃先が鋭利でないためトリマー用シザースとして多く用いられています。器用な方であれば自分で研ぐことも可能です。


はまぐり刃 メーカーによっては「コンベックス」とも呼ばれています。段刃と比較するとかなり鋭角になりますので良く切れます。また、後述する「剣刃」よりも耐久性がありますので、そういう意味においてもっともバランスのよい刃だと思います。


剣刃 シザースを真上からみた時、中央に山の峰が一直線に通っている形状のものです。意匠的にはかっこよく「いかにも切れる」感じです。はまぐり刃よりも鋭角ですので鋭い切れ味を堪能できますが、いいことばかりではありません。鋭い分、劣化も早いのではまぐり刃のシザースよりも研ぎに出すスパンは短くなります。基本的には静刃側だけですが、動刃側にも剣刃を採用した「両剣刃」のシザースもあります。


剣型はまぐり刃 はまぐり刃と剣刃のいいとこどりしたものです。山の峰が中央ではなく少しずれた位置にあります。近年多くのシザースメーカーが採用しており「剣ハマ」「剣型コンベックス」と呼ばれています。材質をハイス鋼にすることで剣刃の弱点である耐摩耗性を克服しており、ヘビーユーザーを中心に徐々にはまぐり刃から剣型はまぐり刃に移行しています。


直刃 シザースメーカーごとに定義付けが異なっている名称です。パッと見で直線に見えるのでそう呼んでいるのだと思われますが、実際はどのようなシザースであっても刃線には少なからずともR(曲線)がついています。刃線がゆるやかな曲線で作られたシザースは髪が逃げにくくなりますので「ブラント向け」あるいは「刈り上げ向き」のシザースということになります。


柳刃・笹刃 シザースメーカーごとに定義付けが違う名称です。「柳刃がスライド用」とするメーカーもあれば「笹刃がスライド用」と主張されているメーカーもあります。うどん・そばの「たぬきときつね」の解釈が関東と関西で違うのと同じようなものとご理解ください。「このシザーは何刃ですか?」と質問するよりも「このシザーはスライド用ですか?」と質問したほうが安全です。もし返ってきた返答が「いえ違います」だったらそのシザースは普通のカットシザースだということです。ですので「直刃・柳刃・笹刃」という単語でのやりとりはできるかぎりしないようにしましょう。

プロペラ刃 刃元まで弓なりの刃曲線になっています。細身のシザースでスライド用につくられたものですが、カットできる有効範囲が少ないのでオススメいたしません。

カーブシザース カービングシザースとも呼ばれています。刃先が反っており、スライドカットやストロークカットに向いています。ただし、構造的な問題からシザースの個体差が激しいことやメンテナンスの汎用性が低いこともあり、あまりオススメいたしません。


マイクロスリット 刃先に細かな溝加工を施したものです。マイクロというわりにはキューティクルレベルの線ではなく肉眼でラクラク見える。なにより研ぎに出したら刃オモテも研磨するのでマイクロ加工は取れてなくなります。全くオススメいたしません。

ウェットシザース 決まりがあるわけではありません。濡れている髪しか切ってはいけないわけではありませんし、乾いた髪を切ってもらってもシザースに問題はありません。ただし、ブラントカットするにはウェット状態で髪がまとまってくれている方が都合が良いのと、シザースの刃曲線のRが直線に近い(緩やか)な髪が逃げにくいシザース使った方がラクにできます。つまり、ウェットシザースとはブラント向けのシザースという意味になります。「ウェット用の刃つけしていますのでドライカットしないでください。」という方いますが、そのような刃つけはありません。単にブラントカットに向いた刃曲線であるということだけです。

ドライシザース ウェットシザースとは正反対の考え方になります。ドライカット用でウェットカットしてもシザースには問題はありません。エフィラージュカットやスライドカットやストロークカットといった、髪を逃がしながらカットする、つまり髪が乾いている方が都合のよい状態で使用するシザースなので、刃曲線のRが強くなりますのでブラントカットがやりにくくなります。


一昔前(今も)は確かに職人さんが刃材から削り出した短冊状の板から経験値だけで刃曲線を生み出してきました。だから出来栄えに左右されたりするので結果的にアタリハズレがある製品になってしまっていました。しかし、近年のとあるシザース製造会社の最新設備では高次元での立体精密加工で刃曲線を形成しているのでハズレが減りました。
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